最近、スーパーに並ぶお米の価格が異常に高くなっていて、「お米を買いづらい…」と感じている方も多いのではないでしょうか?
2025年現在、米5kgが5,000円を超えているケースもあり、1年前と比較すると1000~1500円ほど値上げありしています。
これだけ価格が上がっているなら、米農家の収入も増えていそうですが、実際にはそうではありません。むしろ、経営難に直面している米農家は少なくないようです。
この背景には、政府による備蓄米の放出や、今後予定されている『5kg 2,000円台』での備蓄米の流通などの動きが関係ありそうです。
この記事では、米農家がなぜ儲からないのか、米価高騰の理由、そして備蓄米政策がもたらす影響についてをまとめていきます。
なぜ米農家は儲からないの?赤字の理由は?
『米の価格高騰』というニュースを見ると、米農家も儲かっているように一見思えますよね。
しかし実際には、農家が受け取る収益には、流通業者や小売価格と大きな差があるようです。
生産コストの上昇
近年、肥料・燃料・機械メンテナンス費などの生産コストが増加しており、米の価格が高騰しても、生産コストが利益を打ち消してしまします。
肥料代は2021年比で約30%増、燃料費も25%増と、コスト増が利益を圧迫しています
特に小規模農家や兼業農家は影響が大きく、赤字経営が続き後継者不足も深刻なようです。
中間業者が多すぎる
日本の米流通は、JAや卸売業者、商社など多くの中間業者が関わり、マージンが上乗せされる構造になっています。
そのため、消費者が支払う米の価格が農家の手取りには反映されにくいという構造が続いているようです。
また、流通コストの増加や出荷調整、投機的な買い占めも、米の販売価格が生産者の利益に結びつきにくくなっている一因のようです。
米価高騰の理由は?
最近、米5kgの価格が4000円台〜5000円を超えるケースも増えており、米の価格高騰が話題となっていますよね。
その背景にはいくつかの要因があるようです。
気候変動による不作
2024年猛暑や集中豪雨などの異常気象の影響により、全国的に収穫量が減少しました。
特に、秋田県や新潟県などの東北地方を中心に作況指数が落ち、供給が不足してしまったようです。
燃料・物流コストの上昇
ウクライナ情勢などの影響でガソリンや軽油など燃料費が高騰したことや、トラックドライバー不足によって物流コストが跳ね上がったことも原因の一つです。
これにより、最終的な米の販売価格も引き上げられることになりました。
海外輸出増と在庫減少
政府は2030年までに米の輸出量を約8倍(35万トン)に拡大する目標を掲げ、米の輸出を増やしたため、国内在庫が減少傾向になったようです。
国内への供給が減った一方で、在庫管理の失敗や「消えた米」問題も指摘されていて、需給バランスが崩れやすい状況に陥ってしまいました。
農家の高齢化・離農
近年、農家の高齢化と後継者不足が深刻化しています。
新規就農者も離農率が高く、現場の担い手が急減しています。これにより生産量が減り、
という悪循環が続いています。
備蓄米の放出の農家への影響は?
2025年に政府が行った備蓄米の放出は、消費者だけでなく、米農家にも大きな影響を与えています。
備蓄米放出の影響
2025年2月、政府は米価の高騰を抑えるために21万トンの備蓄米を市場に放出しました。
このことで、米の流通量が増えることによる価格抑制が期待されましたが、米農家にとっては逆風になってしまったようです。
備蓄米の放出によって米の価格が下がる傾向になり、収穫したばかりの新米を高値で売りづらくなりました。特に、中小規模の農家は、備蓄米との価格競争で厳しい状況に追い込まれているようです。
また、安い米を求める消費者が増えたことで、ブランド米や高品質米の売れ行きも鈍っています。
そもそも、備蓄米放出は一時しのぎにすぎず、生産コストや物流の課題は解決されていないため、農家の経営環境を大きく改善するには、より持続的な支援策が必要ですね。
米5キロ2000円の理由と背景
小泉進次郎農水大臣の主導で「備蓄米5キロ2000円台」を目指し、備蓄米の随意契約による直接販売計画が進められています。
これは消費者にとってはありがたい反面、米価の下落を招き、農家の利益はさらに圧迫されることになりかねません。
こうした政策は短期的には消費者にメリットをもたらす一方で、長期的には農家の経営意欲の低下や離農の加速を招く可能性もあるため、慎重に進める必要がありそうですね。
今後、米農家はどうなる?
現状、赤字経営に陥っている米農家が急増しており、「米農家の倒産」という事態も現実味を帯びています。
これらの問題を解消しなければ、米農家の苦しい状況は今後さらに深刻化してしまう可能性が高いです。
まとめ
米農家が儲からない理由は、
からです。
政府の備蓄米放出や「5キロ2000円台」政策は一時的な価格抑制にはなりますが、根本的な解決には生産現場の担い手確保、流通改革、農家への直接支援など、長期的な対策が不可欠です。
消費者としても、お米が安価に購入できるのは嬉しいですが、米農家の方が持続的に生産を続けられるよう、政府によるさらなる支援の拡充を期待したいですね。
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