PR

『紅の豚』カーチス徹底考察:アメリカ人パイロットの魅力やモデルは?

ジブリ
『紅の豚』カーチス徹底考察:アメリカ人パイロットの魅力と役割

1992年に公開されたスタジオジブリの名作『紅の豚』に、ポルコ・ロッソの好敵手として登場するのが、アメリカからやって来た陽気なパイロット、ドナルド・カーチスです。

本記事では、カーチスのキャラクター性、物語での役割、モデルとなった人物、モデルや裏設定などを深く掘り下げて考察します。

カーチスはどんなキャラクター?

ドナルド・カーチスは、

イタリアの空賊たちがポルコに対抗するために雇った凄腕パイロット

アラバマ生まれで、祖母がイタリア人のクォーターという背景を持っています。
自身はアメリカ的な明るさと大胆さを持ち合わせ、自信に満ちた振る舞いで観客の印象に強く残ります。

代表的なセリフには「美しい……!」や「名声と金を運んでくる幸運のガラガラヘビ」があり、そのナルシシズムと派手な言動は、アメリカン・ドリームを絵に描いたようです。

声優を務めたのは大塚明夫さん。
その重厚で力強い声が、カーチスの豪快さとコミカルな面を絶妙に表現しています。

物語の中でのカーチスの役割

カーチスは、ポルコ・ロッソのライバルであると同時に、物語全体のアクセントとなるキャラクターです。

彼は空賊たちの用心棒として登場し、ポルコの愛機を撃墜。さらに、フィオ・ピッコロを賭けてポルコと空中決闘を繰り広げるなど、物語を大きく動かす存在です。

カーチスの「目立ちたい」「勝ちたい」という自己顕示欲の強さは、ポルコの沈黙と孤高の姿勢と対照的です。名声や金、さらにはジーナの心をも手に入れようと奔走する一方で、どこか憎めないユーモラスさもあわせ持つキャラクターです。

カーチスとポルコの対比

ポルコ・ロッソは戦争に傷つき、自由と誇りを重んじて孤独に空を飛ぶ男。一方のカーチスは、名声、金、愛を手に入れようと邁進する「野心家」です。

そんな二人の違いは、映画の中で描かれる価値観の多様性を象徴しています。
静かで渋い生き方を貫くポルコに対して、カーチスは騒々しく派手でありながら、どこか憎めない魅力を持っています。

彼らの空中戦は、正反対の人生観がぶつかり合う、本作の見どころのひとつです。

カーチスとジーナの関係性

カーチスは、ホテル・アドリアーノの女主人「ジーナ」に一目惚れし、情熱的にアプローチしますが、ジーナは彼の軽薄さを見抜いており、まったく相手にしません。

対するポルコとは長年の絆があり、深い信頼で結ばれています。

カーチスの存在は、ジーナとポルコの絆の強さを際立たせる役割を果たしているのです。

カーチスのモデルと裏設定

カーチスは、

アメリカの元大統領ロナルド・レーガン

をモデルとしたという説があります。

レーガンは、アメリカ軍の予備役将校から俳優へ、そして大統領へと上り詰めた人物。カーチスもまた、派手で野心的な性格を持ち、名声や成功を追い求める姿がどこか彼に重なります。

実際、宮崎駿監督が描いた絵コンテには、

ハリウッドのスターになったミスター・カーチスは、大統領になった今もあの時のアドリア海が懐かしいと時々手紙をくれるわ

と書かれており、彼が後にアメリカ大統領になるという幻のエンディングが用意されていたことがわかります。

また、彼の搭乗機は実在したアメリカのレース用飛行機「カーチスR3C-2」をベースにしたデザインで、こちらもファンの間で注目されるポイントのひとつです。

まとめ

  • カーチスはアメリカ的な陽気さと自己顕示欲を持つパイロット
  • ポルコやジーナとの対比が物語を深く彩る
  • モデルはロナルド・レーガン説が有力
  • 幻のエンディングでは大統領になったという裏設定も
  • 彼の存在が『紅の豚』の世界観をより豊かにしている

カーチスは、単なる敵役ではなく、物語に活力と多様性をもたらすキャラクターです。彼の登場によって、ポルコやジーナの人間性がより深く掘り下げられ、作品全体の魅力が増しています。

カーチスの存在があるからこそ、『紅の豚』は「大人のための冒険活劇」として今なお多くのファンを魅了し続けているだと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました