2025年10月21日、国会で第104代内閣総理大臣を決める「首相指名選挙」が実施され、自民党の高市早苗総裁が日本憲政史上初の女性首相に選出されました。
この記事では、首相指名選挙をなぜ衆議院と参議院の両院で実施するのかについて、選出の仕組みや選挙の意味と合わせてまとめました。
首相指名選挙は衆議院と参議院なぜ行われるのか?
- 首相指名選挙が衆議院と参議院で行われる理由
- 首相指名選挙の仕組みは?
- 衆議院と参議院、どちらの決定が優先されるのか?
首相指名選挙が衆議院と参議院で行われる理由
首相指名選挙が衆議院と参議院の両方で行われるのは、日本国憲法第67条に基づき「国会の議決によって内閣総理大臣を指名する」と定められているためです。
二院制(衆議院・参議院)は、国民の意思を慎重かつ多角的に反映させるために設けられた制度で、両院で首相を指名することで政治的正統性を確保しています。
もし両院で異なる候補が選ばれた場合は、最終的に「衆議院の決定」が国会の意思として優先される仕組みとなっています。
首相指名選挙の仕組みは?
首相指名選挙は、まず衆議院と参議院それぞれの本会議で行われます。
両院の議員が、次の総理大臣にふさわしいと考える国会議員の名前を投票用紙に記入し、過半数の支持を得た候補がその院の指名候補となります。
1回目の投票で過半数に達しなかった場合は、上位2名による決選投票を実施します。
★ 10月21日に行われた首相指名選挙では、衆議院本会議の投票結果は以下の通りでした。
- 高市早苗(自民党):237票(過半数)
- 野田佳彦(立憲民主党):149票
- 玉木雄一郎(国民民主党):28票
つまり、決選投票に進むことなく高市早苗氏が第104代首相に正式指名されました。
衆議院と参議院、どちらの決定が優先されるのか?
もし衆議院と参議院で異なる人物が指名された場合、まず「両院協議会」で調整が行われます。
それでも一致しない場合は、憲法上の原則として衆議院の決定が国会全体の意思として採用されます。
この仕組みは「衆議院の優越」と呼ばれます。
今回の首相指名では、衆議院で高市早苗氏が過半数の支持を得て首相に選出されていたため、参議院で別の候補が指名されても、最終的には衆議院の決定が国会の正式な意思として採用される仕組みとなっていました。
首相指名選挙は衆議院と参議院なぜ行われるのか?衆議院が優先されるのはなぜ?
- なぜ「衆議院の優越」されるの?
- 首相指名選挙はいつ行われるのか?
- 高市早苗氏の首相就任までの流れ
- 【まとめ】首相指名選挙は衆議院と参議院なぜ行われるのか?
なぜ「衆議院の優越」されるの?
衆議院が参議院よりも強い権限をもつ理由は、国民の意思をより頻繁に反映する議院だからです。
衆議院は4年任期ですが、解散によって短期間で選挙が行われることもあります。
そのため、常に最新の「民意」が反映されやすく、政治の正統性を強く担うとされています。
一方で、参議院は6年任期のため半数ずつ改選され、より中長期的な視点で政策審議を行います。
このバランスによって、政治の安定と民意の即時反映が両立されているのが日本の議院内閣制の特徴です。
首相指名選挙はいつ行われるのか?
- 衆議院総選挙後に開かれる「特別国会」
- 首相の辞任や内閣の総辞職があった場合
今回(2025年10月)の選挙は、石破茂前内閣の総辞職によって開催された臨時国会で行われました。
高市早苗氏の首相就任までの流れ
高市氏は衆議院で過半数を獲得した後、皇居での「親任式」と閣僚の「認証式」を経て正式に就任します。
2025年10月21日夜には新「高市内閣」が発足します。
高市氏は日本初の女性首相となり、歴史的な一日となるでしょう。
【まとめ】首相指名選挙は衆議院と参議院なぜ行われるのか?
首相指名選挙が衆議院と参議院の両方で行われるのは、憲法第67条で「内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決によって指名される」と定められており、二院制のもとで民意をより広く反映させるためです。
2025年の首相指名選挙は、「衆議院の優越」という仕組みを理解するうえで格好の実例です。
民意の反映を重んじる制度の中で、女性初の首相が誕生したことは、今後の日本政治の大きな転換点となるでしょう。


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