海底ケーブル切断に中国船が関与?日本の通信インフラへの影響は?

海底ケーブル切断に中国船が関与?日本の通信インフラへの影響は? 話題のトピック
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世界の通信の99%を支える「海底ケーブル」。
私たちが日々使うインターネットや国際通話は、この細いガラス繊維の束に支えられています。

しかし2024年から2025年にかけて、中国船による海底ケーブル切断事件が相次いでおり、世界の注目を集めています。

この記事では、中国船が海底ケーブルを切断した背景と、通信インフラの危機と日本に及ぶ影響を徹底調査しました。

海底ケーブル切断に中国船が関与した事件とは?

近年、海底ケーブルの損傷や切断が世界各地で報告されています。
中でも注目されたのが、中国関係船舶が関与したとされる複数の事案です。

  • 台湾近海でのケーブル切断:中国人船長が実刑判決
  • バルト海でのケーブル断線:中国籍船が調査対象に
  • なぜ中国船が海底ケーブルを切断するのか?

台湾近海でのケーブル切断:中国人船長が実刑判決

2025年6月、トーゴ船籍の貨物船を指揮していた中国人船長が、台湾本島と澎湖(ほうこ)諸島を結ぶ海底ケーブルを損傷させたとして、懲役3年の実刑判決を受けました。

この海域は本来「いかり」を下ろしてはいけない保護区域でしたが、船長は航行中にいかりを下ろし、ケーブルを意図的に引きずったと認定されました

この事件は、台湾の通信を一時的に遮断し、数万人規模で通信障害を引き起こしたと報じられています。

バルト海でのケーブル断線:中国籍船が調査対象に

2024年秋の、バルト海のC-Lion1海底ケーブルなど複数が同時に切断された事件では、中国籍貨物船「Yi Peng 3」が調査対象として浮上しました。

最終的な証拠は公開されていませんが、事件当時に船の自動識別装置(AIS)が一時停止していたことから、

「意図的な行動ではないか」

との見方が強まっています。

なぜ中国船が海底ケーブルを切断するのか?

ここで疑問に上がるのが、「なぜ中国船が海底ケーブルを切断するのか」という点です。

その背景にはいくつかの要因が考えられます。

  1. 軍事的・情報戦的な目的
    海底ケーブルは各国の通信の生命線です。切断すれば、敵国の情報共有や経済活動を一時的に麻痺させることができます。
    そのため、中国は近年、海底通信網を「新たな戦略資源」と位置づけているとされます。
  2. 監視・傍受の可能性
    切断後の修復作業中に「中継装置」を挿入すれば、通信の一部を傍受することも理論上は可能です。
    実際、中国の海洋研究機関が「光ファイバー切断・接続技術」を公表した例もあります。
  3. 事故・操船ミスの可能性
    一方で、全てが意図的とは限りません。
    船舶がアンカー(いかり)を下ろした際にケーブルを引きずってしまう事故も多数報告されています。
    こうした海底ケーブル切断事故は、年間100件以上発生しているといわれています。

海底ケーブル切断の中国船問題が日本に与える影響と今後のリスク

では、この「海底ケーブル切断中国船」問題は、日本にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

  • 日本と中国を結ぶ海底ケーブルの現状
  • 海底ケーブル切断による日本への影響
  • 海底ケーブル切断装置の存在と懸念
  • 【まとめ】海底ケーブル切断に中国船が関与?日本への影響は?

日本と中国を結ぶ海底ケーブルの現状

日本と中国の間には、複数の国際通信ケーブルが存在します。

これらは東京や沖縄から中国沿岸部に向けて敷設され、経済活動・データ通信・クラウド連携の基盤となっています。

特に金融・製造・物流業界では、リアルタイム通信に依存しており、もし海底ケーブルが切断されたら影響は甚大です。

海底ケーブル切断による日本への影響

海底ケーブルは、日本の国際通信の要です。

総務省や日本総研の調査によると、日本の国際通信の99%以上が海底ケーブル経由で行われており、衛星通信の割合はごくわずか(1%未満)に過ぎません。

そのため、1本でも主要ケーブルが断線すれば、通信速度の低下や遅延、データ転送障害が発生する恐れがあります。

1. 経済・産業活動への影響

特に、金融取引・国際決済・クラウドサービスへの影響は深刻です。
例えば証券取引では、わずか数ミリ秒の遅延が取引損失につながります。
通信障害が数時間でも続けば、金融システムや物流システム全体が一時停止するリスクがあります。

2. インターネット・生活インフラへの影響

個人レベルでも、SNSや動画配信、メールなどにアクセスできなくなる可能性があります。
日本は島国のため、代替経路が限られており、複数の海底ケーブルが同時に切断されれば、全国的な通信障害も起こり得ます。

3. 安全保障・防衛通信への影響

防衛省関係者や専門家は、海底ケーブルを「現代の安全保障インフラ」と位置づけています。
万が一、日米間・日台間のケーブルが切断されれば、情報共有や警戒監視体制に遅れが生じる可能性があります。
これは軍事的な脅威としても極めて重大です。

4. 復旧コストと時間

海底ケーブルの修復には、専門船による潜水作業と数週間以上の時間がかかります。
1回の修復費用は数億円規模にのぼり、複数箇所で同時被害が発生した場合、復旧はさらに遅れると考えられます。

海底ケーブル切断装置の存在と懸念

2025年、中国は「深海ケーブル切断装置」を開発したと公表しました。

この装置は水深4,000メートルまで潜行でき、厚さ60mmの光ファイバーケーブルを切断できると報じられています。

公式には「海洋調査・保守作業用」とされていますが、軍事転用の可能性も否定できません。

詳しくはBloomberg Japanの記事をご覧ください。

【まとめ】海底ケーブル切断に中国船が関与?日本への影響は?

中国戦による海底ケーブル切断の問題は、単なる海難事故ではなく、情報戦・通信戦の新たな局面として世界が注目しています。

海底ケーブルが切れたら、通信も経済も止まる。
それは、現代社会がどれほど海底ケーブルという通信インフラに依存しているかを示しています。

今後、日本は、

  • 通信ルートの多重化
  • 海洋監視の強化
  • 国際協力による防護網の整備

といった「総合的な備え」が求められます。

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