中国のBL作品は、長年にわたりアジア圏のファンを魅了してきました。
特に日本ではアニメや小説、ドラマを通して「耽美系中国BL作品」に親しむ人も多いですよね。
しかし、2024年後半から2025年にかけて、中国国内でBL関連の作品や作家に対する厳しい規制や摘発が相次いでいるようです。
この記事では、中国でのBL規制の理由や背景、話題になった作品への影響、そして今後の見通しについて徹底調査しました。
中国BL規制はなぜ行われているのか?
中国、BL作家を一斉摘発 - 若者価値観に危機感かhttps://t.co/QEd4T2dXvr
— 共同通信公式 (@kyodo_official) July 14, 2025
- 中国でのBL規制はいつから?取り締まりの現状
- 中国でのBL規制はなぜ強化されたの?規制の背景
- 中国BL作家逮捕と摘発の現状
中国でのBL規制はいつから?取り締まりの現状
中国での本格的なBL規制は2014年ごろから始まりました。
当初は「低俗コンテンツ排除」などの名目でしたが、2018年ごろからは「未成年の健全な成長のため」「社会主義的価値観強化」を理由に、BLを含む同性愛表現への取り締まりが強化されています。
また、2020年代には摘発や逮捕がより激化し、2025年には200人を超えるBL作家が一斉に取り調べを受けるなど、規制の波はさらに広がりを見せています。
中国でのBL規制はなぜ強化されたの?規制の背景
中国でBL作品への規制がこれほど厳しく、そして段階的に強化されてきた背景には、政府の伝統的な家族観を大切にし、青少年の健全な育成や社会の秩序を守ることを重視するという方針があります。
特に2010年代には、インターネットやSNSの急速な普及によって、BLをはじめとするサブカルチャーが若者の間で急激に人気を集めるようになり、これを問題視した政府が本格的に対応に乗り出したようです。
中国BL作家逮捕と摘発の現状
近年、中国ではBL作家に対する摘発が急激に増加しています。
特に2025年7月には、台湾の投稿サイトで作品を公開していた中国本土の作家が200人以上も一斉に摘発され、大きな話題となりました。
主な摘発理由は、「わいせつ物頒布罪」や青少年保護法違反とされており、重い刑罰が科されたケースも少なくないようです。
こうした厳しい取り締まりの背景には、社会主義の価値観や、伝統的な家族観を重視する政府の方針があるとされています。
中国BL規制がもたらした影響と「天官賜福」やドラマ事情
- 中国でのBL規制と「天官賜福」の関係
- 中国BLドラマに起きている表現の変化
中国でのBL規制と「天官賜福」の関係
『天官賜福』は、墨香銅臭による人気BL小説で、日本でもアニメが配信されています。
中国の厳しいBL規制は、この「天官賜福」のメディア展開にも大きく影響しているようです。
中国本土で配信されるアニメや関連作品では、恋愛や親密な表現が意図的に削除・修正され、友情の物語として描かれています。
そのため、原作に忠実にBL要素を残したまま配信されるのは台湾など中国外のバージョンで、中国国内ファンは「本来の物語」が楽しめない状況が続いています。
BLに関わるコンテンツ全体が厳しく規制されている中で、『天官賜福』も例外ではなく、今後のメディア展開や続編制作は不透明のようです。
中国BLドラマに起きている表現の変化
中国BLドラマでは近年、恋愛的な描写が厳しく制限され、登場人物同士の関係性が「友情」や「ブロマンス」として改変される傾向が強まっています。
『陳情令』でも、原作小説には明確なBL要素が含まれているものの、ドラマ版では恋愛感情を明示的に示す描写は徹底して排除され、深い絆や友情として表現されています。
これは、BL規制による放送停止リスクを避けるための演出や脚色によるものだと考えられます。
規制の流れの中で、中国BLドラマは「ブロマンス」(強い友情)という形の、恋愛要素を排除した表現が主流になっているようです。
【まとめ】中国BL規制はなぜ行われているのか?
- 規制の理由は「未成年の健全な成長のため」「社会主義的価値観強化」
- 2025年には大規模な作家摘発が実際に発生
- 「天官賜福」などの人気作も、表現の変更を強いられている
- ドラマや小説は「ブロマンス」として改変されている
今後も中国のBL文化がどう変わっていくのか、注視していきたいですね。
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